【日常会話編】博多弁で「ありがとう」って何て言うの?※音声付きで解説します。
『博多弁でありがとうと感謝を伝える定番フレーズ』について徹底解説します。
メディアでもよく「可愛い」と取り上げられている博多弁。
語尾に「~けん」「~たい」などが付くので、やわらかくて親しみやすい方言ですよね。
今回はそんな博多弁で「ありがとう」の表現について、生まれも育ちも福岡である筆者が解説します。
よく耳にする博多弁から、なかなか馴染みのない難易度の高い博多弁まで、たくさん紹介していくよ!
「ありがとう」以外にも、博多弁で感謝を伝える言葉や、日頃よく出てくる日常会話も紹介しますので、後半の博多弁クイズと合わせてお楽しみください。
これから福岡に引っ越したり旅行したりする予定のある方は、是非、本記事で博多弁の基本をマスターしてくださいね!
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【例文付き】博多弁で「ありがとう」に特別な方言はあるの?
まず博多弁で「ありがとう」に特別な方言はありません。
標準語と変わらず、感謝を伝えるときは「ありがとう」と言いますが、親しい間柄の人には「ありがとぉね」と独特なイントネーションの博多弁を使うこともあります。
まず、親しい人への「ありがとう」の言い方を詳しく見ていきましょう。
(博多弁で感謝を伝える)ありがとぉね!
親しい人に感謝を伝えるときは「ありがとぉ⤴ね⤴」を使うことがあります。
友人や自分より年下の人に使うことが多いよ。
目上の人以外には使える「ありがとう」の表現なので、馴染みやすいでしょう。
ただ「とぉ」と伸ばすだけではなく、語尾の発音に少し癖があります。そのイントネーションが博多弁の特徴です。
会話の例
- えー、私の分も買ってきてくれたと?ありがとぉね!
→意味:えー、私の分も買ってきてくれたの?ありがとう!
(博多弁の特徴)語尾のイントネーション
「ありがとぉね」は語尾のイントネーションが少し上がります。
標準語の「ありがとう」に「ね」を付けても「ありがとうね⤵」となりますが、博多弁の場合は全体の語尾が上がります。
博多弁のありがとうのイントネーションは「ありがとぉ⤴ね⤴」となります。
電話で「ありがとぉね」を使うと、表情が見えなくても、しっかり感謝の気持ちが伝わるよ!
この語尾が上がるイントネーションで、語尾が下がる標準語の「ありがとう」より心がこもっている印象を受けるので「博多弁って、なんかやわらかい」と印象良く聞こえるのです。
【ありがとう以外】博多弁で感謝を伝える定番フレーズ3選!
「ありがとぉね」以外にも、博多弁で感謝を伝える定番フレーズは他にもあります。
代表的なフレーズは以下の3つです。
- 感謝しとーよ
- ばり助かった!
- お世話になってから!
福岡の人はナチュラルに使っているけれど、どれも響きが可愛いよね!
「ありがとぉね」の代わりに使うだけでなく、セットで使われることも多い方言です。1つずつ詳しく解説します。
感謝しとーよ
「感謝しとーよ」は「ありがとぉね」よりももっと丁寧に相手に感謝の意を伝えたいときに使います。
また直接相手にお礼を伝える以外にも、その場にいない第三者を褒める・感謝するときにもよく出てきます。
飲み会等の席で、少し畏まってお礼を言うときにも使うよ。
以下のように、改まって感謝の意を伝えたいときは「感謝しとーよ」のほうを使います。
会話の例
- 私が困っとるとき、いっつもすぐ手伝ってくれるけん、あんたにはめっちゃ感謝しとーよ
→意味:私が困っているとき、いつもすぐ手伝ってくれるから、あなたにはとても感謝しているよ
- この前も私がミスしたとき、あの先輩が助けてくれたんよ。本当にあの人には感謝しとーとよ
→意味:この前も私がミスしたとき、あの先輩が助けてくれたんだ。本当にあの人には感謝してるんだよ
ばり助かった!
「ばり助かった!」は親しい間柄の人に使う方言です。ちなみに「ばり」は「とても」という意味です。
なので「ばり助かった!」を標準語にすると「とても助かりました!」という意味なので、「ありがとぉね」とセットで使われることも多々あります。
「あなたに救われました」というニュアンスで使うよ!
以下のように相手に深く感謝を伝えたいときに使います。
会話の例
- こげん重か荷物、1人で運べんやったよ!手伝ってくれてばり助かった!
→意味:こんなに重い荷物、1人で運べなかったよ!手伝ってくれてとても助かった!
- 大阪とか初めてやけん、1人やったら迷子になるとこやった!一緒に付いてきてくれてばり助かった!ありがとぉね
→意味:大阪に来たのは初めてだから、1人だったら迷子になるところだったよ!一緒に付いてきてくれてとても助かった!ありがとう
お世話になってから
「お世話になってから」は標準語で「お世話になりました」という意味です。身内や親しい間柄の人に使う表現です。
「お世話になっちゃって、すみませんね」「お世話になって、申し訳ないですね」というようなニュアンスで使うよ。
感謝に少し「申し訳ない」というお詫びの気持ちを込めて使うことが多いです。
会話の例
- うちの息子がお世話になってから、ありがとぉね!
→意味:うちの息子がお世話になりまして、ありがとうございます!
- 私の代わりに地域の会合に出てくれたんやろ?お世話になってから、時間取らせたね
→意味:私の代わりに地域の会合に出席してくれたんでしょう?お世話になってしまって、時間取らせちゃったね
【福岡県民が解説】日常会話でよく使う博多弁のセリフ5選!
「ありがとぉね」の他に、日常会話でよく使う博多弁のセリフも紹介します。
- なんしよーと?
- 来てみんしゃい
- 気をつけりぃね
- ばり美味い!
- 早くねりぃね
福岡にきたら、どれも1回は聞いたことがある方言ばかりだよ!
(あいさつ)なんしよーと?
博多弁の「なんしよーと?」は、標準語で「何をしているの」の意です。
相手が何をしているのかを具体的に質問しているわけではなく、電話などで冒頭のあいさつのように使う事が多いです。
かなり親しい相手には「なんしよん?」というふうに質問することもあるよ!
このように、相手が忙しくないのかを確認するくらいのソフトな質問として使われます。
会話の例
- もしもし、今なんしよーと?寝とったん?
→意味:もしもし、今何をしているの?寝ていたの?
- うち今からご飯食べ行くっちゃけど、あんたなんしよーと?
→意味:私は今からご飯を食べに行くのだけれど、あなたは何をしているの?
(いらっしゃい)来てみんしゃい
博多弁の「来てみんしゃい」は、標準語で「いらっしゃい」「おいでなさい」の意です。
諸説ありますが、「しゃい」は「さい」が九州の言葉に訛った響きだと言われています。
『博多に来てみんしゃい』のように、福岡の観光用のキャッチフレーズとしてよく使われているよ!
「来てみんしゃい」は、若い方が日常でよく使う方言ではありませんが、福岡をわざと強調するように冗談ぽく使う場面はあります。
会話の例
- 今度、九州エリアに出張なん?やったら福岡に来てみんしゃい!
→意味:今度、九州エリアに出張なの?だったら、福岡にいらっしゃい!
(気をつけて)気をつけりぃね
博多弁の「気をつけりぃね」は、標準語で「気をつけてね」の意です。
「用心してね」という心配も含めて語尾は上がるイントネーションです。
行き帰りの道中を心配するシチュエーションで、この方言を使うことが多いね!
相手を思いやる気持ちも込めてよく使う表現です。
会話の例
- 鹿児島から福岡とか、結構遠いんやけん、車の運転気をつけりぃね!
→意味:鹿児島から福岡は、結構遠いから、車の運転に気をつけてね!
- 天ぷら作るとき、イカは油はねるけん、気をつけりぃね
→意味:天ぷら作るとき、イカは油がはねるから、気をつけてね
(美味しい)ばり美味い!
博多弁の「ばり美味い(うまい)」は、標準語で「とても美味しい」の意です。
「ばり」は「とても」を指します。近年は「ばり」を使う人はそんなに多くないですが、「ばりうまか~」といったように福岡名物をCMで紹介する場面など、メディアで使われることはよくあります。
全国的に有名なインスタントラーメンの「うまかっちゃん」のCMにも「ばり美味か~」が使われていたね!
「ばり美味い」をもっと短くして「ばりうま」と表現するキャッチコピーもよく見かけます。
会話の例
- こんなお洒落な料理、初めて食べたっちゃけど。ばり美味い!
→意味:こんなお洒落な料理を初めて食べたんだけれど。とても美味しい!
- ここのラーメンばり美味いけんさ、今度一緒に食べに行こうやあ
→意味:ここのラーメンとても美味しいからさ、今度一緒に食べに行こうね
(おやすみ)早くねりぃね
博多弁の「早くねりぃね」は、標準語で「ゆっくり寝なさいね」「おやすみなさい」の意です。
「早く寝て!」と相手に命令する意図はほとんどなく「明日が辛くならないように、早く寝たほうがいいよ」といった気遣いが含まれています。
「おやすみなさい」のような軽いニュアンスで使うイメージだよ!
相手にやんわりと動作を促すときに「りぃね」を語尾に付ける事が多いです。
会話の例
- 明日は出張なんやろ?早くねりぃね
→意味:明日は出張なんでしょう?おやすみなさい
- 疲れとろぅ?早くねりぃね
→意味:疲れてるでしょう?ゆっくり寝てね
【最後におまけ】これが分かれば福岡県民!?博多弁クイズ!
ここからは、少し難しい博多弁を紹介していきます。6つの博多弁のうち、いくつ分かるでしょうか?
生まれも育ちも福岡である筆者でさえ、ちょっと難しかったマイナーな博多弁も含まれています。
もし他県の方で4つ以上正解できれば、博多弁マスターです。
- しゃーしい
- からう
- ほんなこつ
- せからしか!
- しろしい
- はらかく
かなり難易度が上がっていますが、分かりましたか?では、1つずつ詳しく解説していきます。
しゃーしい
博多弁の「しゃーしい」は、標準語で「うるさい」の意です。
似たような意味の「せからしか」は「うるさい」の他に「煩わしい/面倒くさい」といった意味が含まれますが、「しゃーしい」は「うるさい」に絞って使われる事が多いです。
「音がうるさい」という意味だけでなく「口うるさい」といったことを指摘する時にも使うよ!
福岡だけでなく、長崎県や大分県でも使われます。
会話の例
- あの人、ゴミの出し方とかもいちいち文句言ってくるけん、しゃーしいよね
→意味:あの人、ゴミの出し方とかにもいちいち文句を言ってくるから、うるさいよね
- そげん大きか音で音楽ば流したら、しゃーしかろうもん!
→意味:そんなに大きな音量で音楽を流したら、うるさいでしょう!
からう
博多弁の「からう」は、標準語で「背負う」の意です。
これは難易度が高めのようで、九州以外の人にはほとんど通じない方言です。
リュックやランドセルなどを背負うときに使われます。
ランドセルを「からう」は福岡で当たり前に使われているよ!
語源は「担う(かるう)」で、「かるう」が訛って「からう」になったと言われています。
会話の例
- 新1年生はまだ体も小さかとに、あげな大きかランドセルからって、かわいかねー
→意味:新1年生はまだ体も小さいのに、あんな大きなランドセルを背負って、かわいいねー
ほんなこつ
博多弁の「ほんなこつ」は、標準語で「本当に」の意です。
福岡だけでなく熊本でもよく使われます。
年配の人や筑後エリアの人がよく使っているよ!
驚きや感動などの感情をのせて会話に登場することが多い方言です。
会話の例
- 昨日あの人入院したって聞いたっちゃけど、ほんなこつね?
→意味:昨日あの人が入院したって聞いたんだけれど、本当なのね?
- あんときは、ほんなこつ嬉しかったばい
→意味:あのときは、本当に嬉しかったよ
せからしか!
博多弁の「せからしか!」は、標準語で「うるさい/煩わしい/面倒くさい」の意です。
うるさいを指す「しゃーしい」よりも広い意味で使われます。
最近の人はあまり使わないけれど、地域によっては年配の人がよく使っているよ!
「せからしか!」と単品で使う場合は「うるさい!」と強く相手を制するときです。
会話の例
- いちいち確認するのせからしかけん、まとめてチェックしてくれん?
→意味:いちいち確認するの面倒くさいから、まとめてチェックしてくれない?
- その音、どげんかならん?せからしかっちゃけど!
→意味:その音、どうにかならない?うるさいんだけど!
しろしい
博多弁の「しろしい」は、標準語で「うっとおしい」の意です。
これは難易度が高めです。近年では、よく使われる方言ではないので、福岡の人でも若い人は知らない方言かもしれません。
「しゃーしい」と似ているけれど、意味が違うので注意!
上記のように、不快感を表す方言として使われています。
会話の例
- 今日は1日中雨が降っとるけん、しろしかねー
→意味:今日は1日中雨が降っているから、うっとおしいねー
はらかく
博多弁の「はらかく」は、標準語で「怒る」の意です。
諸説ありますが、「はらかく」はもともと「腹を掻く」に由来していて、鶏が腹を爪で掻くように腹を立てる様子からきているそうです。
福岡だけでなく九州でよく使われている方言だね!
本気で怒っているときだけでなく、「機嫌が悪いこと」を表現するときにも使います。
会話の例
- そげん、はらかきなさんな
→意味:そんなに、怒らないで
- なんか、はらかいとーと?
→意味:なんか、怒ってる?
博多弁の日常会話編 まとめ
博多弁の日常会話は、語尾に「ちゃん」や「やん」をつけたり、イントネーションが上がったりするので、やわらかい印象を持たれることがあります。
また「ほんなこつ」のように、独特な言い回しの単語もありますので、「あれ?これはどんな意味だろう?」と疑問に思ったときは、その場で質問してみましょう。
福岡の人は社交的な県民性だと言われているので、「福岡を知りたい」と思ってくれる他県民の人には好意的です。
むしろ喜んで方言を教えてくれる福岡人も多いから、遠慮せずに聞いてみてね!
そして、もし今後福岡に住む予定があったり長期間滞在する機会があれば、是非博多弁をマスターしてみてください。
ビジネスに限らず、きっとスムーズなコミュニケーションがとれる近道となるでしょう。
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