【福岡県の方言】博多弁の超絶かわいいセリフランキング!※変換・翻訳の一覧表。
『(福岡の方言)博多弁の可愛いセリフランキング』について徹底解説します。
全国を対象に調査される『好きな方言ランキング』や『恋人に話してもらいたい方言ランキング』など、方言にまつわる数々のランキングで常に上位を獲得する「博多弁」。
特に女性が話す博多弁は「かわいい!」と言われることも多く「福岡出身じゃないけど、博多弁を話してみたい!」と興味を持っている方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、福岡県民歴40年超の筆者が、日常でよく使う博多弁から、40年以上暮らしていてもあまり聞いたことがないような難易度の高い博多弁まで、徹底的に解説します!
難易度の高い博多弁はクイズ形式でご紹介していますので、「俺が何年博多に住んどると思っとーとや?!」という博多弁自慢の方も、是非挑戦してみてください。
記事の最後に、博多弁から標準語への変換・翻訳を一覧でまとめているよ。
福岡へ移住してこれから博多弁を覚えたい方や、旅行で福岡を訪れたら博多弁を使ってみたいと思っている方にご活用いただければ幸いです。
【なぜ可愛い?】福岡県の方言「博多弁の特徴」
ところで、なぜ数ある方言の中でも博多弁は「かわいい!」と言われることが多いのでしょうか?
実をいうと『博多弁』というのは福岡県内にいくつかある方言のうちの1つでしかありません。
『北九州弁』や『筑豊弁』『筑後弁』など、福岡県内でもエリアによっていくつかの方言があり、語尾やイントネーションが微妙に異なります。
その中でも博多弁が特に「かわいい!」と言われている理由と、実は福岡県民にさえあまり知られていない『福岡弁』と『博多弁』の違いについても、豆知識として解説していきます。
(可愛さの秘密)語尾が特徴的
博多弁が可愛く聞こえる理由の1つとして、その特徴的な語尾が挙げられます。
元々は「商人の町」として栄えた博多。そこで使われてきた博多弁は、接客業にたずさわる人ならではの柔らかく親しみやすい響きを持っているのです。
例えば
- ~やけん
- ~ったい
- ~っちゃん
- ~しぃ
- ~しんしゃい
という博多弁独特の語尾。
「食べりぃ」「行ってきぃ」というように会話の最後を伸ばしたり、小さい「っ」や小さい「や」「ゆ」「よ」などの拗音、いわゆる「ねじれる音」が多用されたりします。
小さい「っ」の詰まる感じが、どことなく幼さを感じるよね。
こういった特徴から、博多弁独特の柔らかくて心地よいリズムが生まれ、聞き慣れない人にとっては”可愛く”聞こえるのです。
(博多弁の)イントネーション
イントネーションとは、話し言葉の中での声の上がり下がり(抑揚)のことです。
博多弁には独特のイントネーションがあり、慣れていない人には理解が難しい部分もあるでしょう。
例えば「そげんあるとね」という博多弁。
イントネーションがフラットな場合は「へぇ、そうなんだぁ」という程度の、軽い相槌の意味です。
ところがこれが「そげんあるとね?⤴」のように「げ」の部分を強調し、最後が尻上がり調になると「そんなにあるの!?」という意味になります。
「今、熱が39度あるんだ」と言われた時に使うようなイメージだね。
このように、イントネーションによって意味が変わってしまう博多弁は理解しがたい部分も多く、慣れない人には「何を言ってるかよくわからない。でもなんだかかわいい」という印象を与えるのです。
「福岡弁」と「博多弁」の違い
長年福岡に住んでいても「知らなかった!」という人も多いと思いますが、実をいうと「福岡弁」と「博多弁」には明確な違いがあります。
今では全国的に有名となった「博多弁」ですが、「博多」というのは福岡県の中でも一部の地域を指す地名です。
具体的には「福岡市博多区」がその中心地と言えるでしょう。福岡空港周辺、博多駅周辺などがそのエリアに当たります。
博多は元々「商人の街」であり、お客様相手の商売で使うような、親しみやすく柔らかい言葉遣いが特徴です。
福岡弁は武士・博多弁は商人
これに対して「福岡弁」とは、福岡藩に仕えるいわゆる武士階級の間で使われていた言葉。
エリア的には福岡市中心部を流れる「那珂川」を挟んで東側が「博多」、西側が城下町「福岡」と考えると分かりやすいでしょう。
「がっしゃい言葉」とも言われる「福岡弁」は、上品でありながらも堅さがある言葉で、商人の使う「博多弁」とは明確な違いがありました。
少し大雑把なまとめ方にはなりますが、
- 博多弁=商人由来の言葉
- 福岡弁=武士由来の言葉
と考えると分かりやすいかもしれません。
ただ、元々武士階級の人数が少ないこともあり、話者の高齢化と共に少しずつ「福岡弁」は消滅していったと言われています。
「来てがっしゃい」(来てください)なんて、福岡県民でも聞いたことのある人はほとんどいないだろうね。
現在では福岡市近郊で話されている言葉は広く「博多弁」として認識されているところがあります。
【例文あり】超絶かわいい博多弁のセリフ15選!
ここからは博多弁の人気を押し上げていると言っても過言ではない「かわいい」博多弁のセリフを15選でご紹介します。
代表的な博多弁ばかりなので、覚えて使いこなせるようになりましょう!
なんしよーと?
福岡では博多華丸大吉さんのテレビ番組タイトルにも使われている、代表的な博多弁「なんしよーと?」。
意味は「何をしているの?」です。
これは老若男女幅広い世代でナチュラルに使われている博多弁だから、博多弁初心者の人でも使いやすいよ。
「あんた、明日の夜なんしよーと?」
こう問われれば、明日の夜の予定を聞かれていると思えばOK。
予定がなければ「なんもしよらん(意味:なにもしていないよ)」と答えれば、飲み会のお誘いなどがあるかもしれませんね。
方言を使った例文
- 最近、仕事はなんしよーと?
→意味:最近、仕事は何をしているの?
- あんた、そらぁなんしよーとな?
→意味:あなた、それは何をしているの?
すいとーよ
「あんたのこと、すいとーよ」
福岡で暮らしていて、女性からこう言われたらドキッとする場面です。
間違えても「え?水筒?」なんて切りかえすことがないように気をつけてね!
標準語にすると「あなたのこと、好きだよ」という意味になり、女性にしてみたら精一杯の勇気を振り絞って告白した場面なのです。
「すいとー」(好きだ)は、人に対して使われるだけではありません。
「この店のラーメン、すいとー」と言えば「この店のラーメンが好きだ」という意味になり、わりとカジュアルに使える表現と言えるでしょう。
方言を使った例文
- 私、山田くんのことすいとーよ
→意味:私、山田くんのこと好きだよ
とっとっと
「とっとっと」は「取っているんだよ」という意味の博多弁です。
細かく分けると、前2つの「とっとっ」は「取っている」の博多弁「取っとる」で、3つ目の「と」は「~だよ」という博多弁の語尾です。
使い方としては、例えば映画館や球技場などで空席に荷物が置かれている場合、「誰かが確保している席なのかな?」と疑問に思うことがありますよね。
そのような時は近くに座っている人に「この席、とっとっと?(意味:この席、取っているの?)」と尋ねます。
その人が確保している席なら「とっとっとよ!」とか「とっとーよ」という返事になるね。
県外の人が聞くと「”とっ”しか言ってないから意味がわからない!」と感じるでしょうが、福岡県民には当たり前のように通じます。
本当に通じるのか疑問に思う人は、福岡を訪れた際に是非試してみてくださいね。
この「とっとっと」を使った面白い早口言葉がいくつかありますので、後のセクションで音声を添えてご紹介します。
方言を使った例文
- あんたがこの席とっとっと?
→意味:あなたがこの席を確保しているの?
すーすーすー
急に「すーすーすー」と言われても、聞き馴染みのない方にとっては全く意味が分からない言葉ではないでしょうか?
分かりやすいように書くと「スースー」と「すー」に分かれます。
「スースー」は隙間風が入るなどして部屋の中が少し寒いという状態のこと。
「すー」は「する」という言葉で、博多弁特有の語尾を伸ばしたものです。
ごたる(みたいだ)は、若い世代ではあまり耳にしない博多弁だよ。
「この部屋、ちょっとスースーせん?(意味:この部屋、ちょっと肌寒くない?)」といった感じで使います。
方言を使った例文
- 屋台で飲むのはよかばってん、冬はどうしてもすーすーすーもんね
→意味:屋台で飲むのはいいけど、冬はどうしても隙間風が入って肌寒いものね
~ばい・~けん
~ばい・~けん、は博多弁特有の語尾で、日常会話の中でも頻繁に登場します。
年配者から若者まで幅広い世代で使われており、意味としては「~だよ」といったもの。
- モタモタするなら先に行っとくばい(意味:先に行っておくよ)
- モタモタするなら先に行っとくけん(意味:先に行っておくから)
このように、多くの場合は語尾が「ばい」でも「けん」でも違和感なく使えます。
ただ、40年以上福岡に暮らす筆者の感覚では、若い世代ほど「ばい」を使う人は少なく、「けん」を使う率が高いように思います。
博多弁の彼女と喧嘩したとき「もう知らんけんね!(意味:知らないからね!)」なんて言われたら、かわいすぎて思わずこちらから折れてしまうかも!?
方言を使った例文
- もう宿題終わったけん!
→意味:もう宿題終わったからね!
~っちゃん・~っちゃけど
「~っちゃん」は、博多弁の特徴的な語尾と言えるでしょう。意味は「~だよ」といったもの。
後にまだ話が続く場合で「~なんだけど…」と表現したいときは「~っちゃけど」になります。
小さい「っ」に「ちゃ」まで加わるとどうしても幼さを感じるため、これが可愛らしい響きに聞こえる原因かもしれません。
福岡県民なら誰もが知る袋ラーメン「うまかっちゃん」の商品名にもなっているよ。
具体的な使い方を見ておきましょう。
方言を使った例文
- 昨日、美容院に行ってきたっちゃん
→意味:昨日、美容院に行ってきたんだよ
- ニュースで見たっちゃけど、近所で火事があったぎな
→意味:ニュースで見たんだけど、近所で火事があったんだって
~やけん
「~やけん」は「~だから」という意味で使う博多弁です。
「あなたのこと好きやけん、付き合ってくれん?(意味:あなたのこと好きだから、付き合ってくれない?)」
なんて博多弁で告白されたら、思わずOKしてしまいそうなかわいらしさがありますよね。
福岡育ちのアーティストであるMISIAさんが、NHK福岡開局90周年のテーマソングとして作詞した「好いとっと」という曲にも「好きやけん」の一節が登場するよ。
「好きやけん」以外にも「~やけん」を使った例を2つほど挙げておきましょう。
方言を使った例文
- この子はお父さん似やけん、足の速か
→意味:この子はお父さん似だから、足が速い
- お腹ペコペコやけん、ドーナツ食べて帰らん?
→意味:お腹がペコペコだから、ドーナツ食べて帰らない?
ばり~
「ばり」は博多弁の接頭語で「すごく」「とても」という意味で使います。
- 暑い or 寒い
- 美味しい orまずい
- 遠い or 近い
こういった形容詞の前に付ければ、ほぼ違和感なく使えると思っていいでしょう。
「とても」を「ばり」に置き換えるだけだから、博多弁初心者の人も気軽に使ってみて!
方言を使った例文
- 今日は、ばり暑かったねぇ
→意味:今日は、とても暑かったねぇ
- このアイス、ばりうまっ!
→意味:このアイス、すごく美味しい!
よかよ!
博多弁が浸透している地域では「~してもよろしいでしょうか?」と丁寧に尋ねても「よかよ!」と短い返事が返ってくることがあります。
博多弁に慣れない人にとっては、言いっ放しに聞こえて少しとまどうかもしれないね。
ただ、博多弁の「よか」は「いい」「良い」という意味で、むしろ快諾ととらえて問題ありません。
「明日、映画でも観に行かん?(意味:明日、映画でも観に行かない?)」
とさりげなくデートに誘ったとき「よかよ!(意味:いいよ!)」という返事だと嬉しいですね。
短く言い切る形だけでなく、会話の途中でも「そんなの気にせんでよかよ~(意味:そんなの気にしなくていいよ~)」という感じでも使います。
日常会話の中でわりと気軽に使われる言葉なので、覚えておきたい博多弁のひとつです。
方言を使った例文
- 雨が降ってきたけん、傘借りてもよか?
→意味:雨が降ってきたから、傘借りてもいい?
- よかよ!
→意味:いいよ!
~かいな
「~かいな?」は、質問をするとき語尾につける博多弁です。
意味としては「~かな?」と同じなので、標準語ユーザーの方でも取り入れやすい博多弁だと言えるでしょう。
間に「い」が挟まるだけで、ぐっとナチュラルな博多弁に聞こえるから不思議だね。
方言を使った例文
- 今日、雨降るとかいな?
→意味:今日、雨降るのかな?
- 会議って明日の13:00開始やったかいな?
→意味:会議って明日の13:00開始だったかな?
たべりー
人に何か食べ物を勧めるときに使う博多弁が「たべりー」です。
意味は「食べなさい」「どうぞ食べて」といったニュアンスですが、目上の人に対しては使いません。
親や先生が子供に対して「しゃべってばかりおらんで、はよ食べりー(意味:しゃべってばかりいないで、早く食べなさい)」
という感じで使ったり、友達同士の間で「このお菓子美味しかったけん、あんたも食べりー(意味:このお菓子美味しかったから、あなたも食べてみて)」という感じで使います。
取引先の人との距離を縮めるため、親近感を出す目的で「食べりー」を使うのは失礼だからNGだよ!
方言を使った例文
- これ実家から送ってきたミカンやけん、よかったらたべりー
→意味:これ実家から送ってきたミカンだから、よかったら食べて
しゃーしい
「しゃーしい」は「うっとおしい、面倒くさい」という意味の博多弁です(正確には北九州弁とも言われますが、博多近辺でも使われています)
細かいことでグチグチ、ネチネチ文句を言ったり「静かにしておいてほしい」と思っている相手にからんでいったりすると
「あんたってしゃーしいね!(意味:あなたってうっとおしいね!)」と言われてしまいます。
言葉だけ聞くとかわいい博多弁に聞こえるかもしれませんが、決して褒め言葉ではないので覚えておきましょう。
「しゃーしい」を聞いてみたいばかりに、友達や恋人にうざ絡みしないよう気をつけてね!
方言を使った例文
- 宿題忘れたけんって1時間も説教するとか、あの先生本当しゃーしいよね
→意味:宿題忘れたからって1時間も説教するなんて、あの先生本当面倒くさいよね
あーね!
「あーね!」は相手の話に納得したときに相槌を打つような形で使う言葉です。
「あぁ、そういうことね」が短くなったものとも言われています。
福岡県民でも世代によっては「え?それ博多弁なの?」と違和感をおぼえる方もいらっしゃるでしょう。
福岡女学院大学で方言学・社会言語学を研究されている二階堂先生の考察によると、「あーね!」は1990年代後半から福岡の若者を中心に広がりを見せ、2013年に女子中高生を中心に流行した言葉のようです。
参考:まるで生き物のように変化し続けている日本各地の「方言」
福岡県民でも50代以上の人にはあまり馴染みのない博多弁だと言えるね。
使い方の例も見ておきましょう。
方言を使った例文
- 昨日の講義、なんで休んだと?
→意味:昨日の講義、どうして休んだの?
- 実は二日酔いで体調が最悪やったけんさ~
→意味:実は二日酔いで体調が最悪だったからさ~
- あーね!
→意味:あぁ、そういうことね!
はよこんね
「はよこんね」は、分かりやすいように漢字で書くと「早、来んね」になります。「早くいらっしゃい」という意味です。
人との待ち合わせ時間に遅れたり、モタモタ歩いていたりすると「はよこんね!」と言われちゃうよ。
決まっているわけではないかもしれませんが「はよこんね」は女性が使う率が高く、男性が使う場合は「はよこんか」や「はよこんや」のように語尾が変化します。
最後が「ね」で終わるところに博多弁独特のやわらかさが出ていて、可愛く聞こえるのかもしれませんね。
方言を使った例文
- 集合時間を30分も過ぎとるよ!はよこんね!
→意味:集合時間を30分も過ぎているよ!早く来て!
なるほどですね
「なるほどですね」は、相手の話に納得したときに相槌として使う博多弁です。
意味は「なるほど」と同じですが、福岡県民は「相手に失礼がないように」という気持ちから何にでも丁寧語の「ですね」をつけてしまう傾向があります。
「なるほどですね」という言葉も実際にビジネスの場面で使っている人が多く、県外の人には違和感を与えることがあるようです。
「文法的に変じゃないか?」と思っても、博多では指摘しないほうがいいかもね。
博多弁特有の柔らかさがにじみ出たものだと捉えておけば、相手との関係も良好なままでいられるでしょう。
方言を使った例文
- 材料費が高騰しとるけん、商品を値上げせんとやっていけんとですよ
→意味:材料費が高騰しているから、商品を値上げしないとやっていけないんですよ
- あ~なるほどですね
→意味:あ~なるほど、そうですよね
【難しい】何個正解できる?博多弁×方言クイズ
ここからは「博多弁特有の単語を使ったクイズ」を出題していきます!
博多弁を勉強中の方も、博多弁に慣れてきて多少自信がある方も、まずは例文を読んで意味を考えてみてください。
全問正解できれば、あなたも立派な博多弁マスター~!
めんこい
「めんこい」は「かわいらしい」の意味で、基本的には褒め言葉です。
ただ、大人の女性に向かって「あなたってめんこいですね」と言っても褒められている気はしないでしょう。
子供や子猫など、小さくてかわいいものを褒めるときに使ってね。
- Q:昨日、田中さんのお孫さんば見せてもろうた。めんこかった~
- A:昨日、田中さんのお孫さんを見せてもらった。かわいかった~
ばり・ちかっぱ
「ばり・ちかっぱ」はどちらも「とても」や「すごく」という意味で、より強調したいときに使う接頭語です。
「ちかっぱ」の方が「ばり」よりもさらに強調したい場合に使うよ。
- Q:昨日、体育の先生にちかっぱ怒られたけん、ばりムカついたわぁ~
- A:昨日、体育の先生にものすごく怒られたから、めっちゃムカついたわ~
ほんなこつ
「ほんなこつ」は「本当に」という意味の博多弁です。
「息子が反抗期で、ほんなこつ親の言うことばきかん!(意味:息子が反抗期で、本当に親のいうことをきかない!)」のように使います。
誰でもそういう時期ってあるよねぇ~。
- Q:昨日、道端で1万円ひろーたばい
- Q:ほんなこつね!?
- A:昨日、道端で1万円拾ったよ
- A:本当に!?
ばってん
博多弁の「ばってん」は「けれども」「だけど」といった逆説の接続詞、接続助詞として使います。
「ばってん、昨日はOKち言うたろうもん!?(意味:だけど、昨日はOKって言ったよね!?)」
僕はイケメンやろって言うとるばってん、なかなか理解されんとよね~
- Q:あの人は言うことは厳しかばってん、心根は優しか人よ
- A:あの人は言うことは厳しいけれども、心根は優しい人だよ
くらす
「くらす」は博多弁で「殴る」の意味。
例文のように口喧嘩の途中で使ったり「高校生のとき門限を破ったら、親父にくらされた」といった形で使います。
標準語の「暮らす」と混同しないように気をつけてね。
- Q:あんま調子にのっとると、くらすぞ?
- A:あんまり調子にのってると、殴るぞ?
いぼる
「いぼる」は「ぬかるみにはまる」という意味です。
足だけじゃなく、車のタイヤがぬかるみにはまった場合も「タイヤがいぼった」と言うよ。
福岡県民同士の会話でも「”いぼる”は聞いたことがない」という人もいて、方言トークで盛り上がることがあります。
「いぼる」が分かる人は博多弁上級者と言えるかもしれませんね。
- Q:田んぼのあぜ道を歩きよったら、足が滑っていぼったったい
- A:田んぼのあぜ道を歩いていたら、足が滑ってぬかるみにはまったんだよ
つやつける
「つやつける」は「格好つける」の意味で使います。漢字で書くと「艶つける」になるでしょうか。
「息子に彼女ができたらしくて、最近つやつけとんしゃーよぉ(意味:息子に彼女ができたらしくて、最近格好つけているよ)」といった感じで使います。
どっちかというと「格好つけすぎじゃない?」のニュアンスを含むよ。
- Q:今日はずいぶんつやつけてから、どこ行くとね?
- A:今日はずいぶん格好つけて、どこに行くの?
どげんしたと?
「どげんしたと?」は「どうしたの?」という意味の博多弁です。
ちなみに「どうもこうもないよ!」という標準語を博多弁に置き換えると「どげんもこげんもなか!」となります。
「う」を「げん」に置き換えると、ぐっと博多弁らしくなるんだね。
- Q:うわぁ!やらかした!
- Q:どげんしたと?
- Q:今日提出の宿題ば、家に忘れてきた!
- A:うわぁ!やらかした!
- A:どうしたの?
- A:今日提出の宿題を、家に忘れてきた!
ほがす
「ほがす」は「あける」という意味の博多弁です。「穴をあける」ときに使う言葉なのでドアを開けるときに「ドアをほがす」といった使い方はしません。
- 例文:あら~。ズボンに穴のほげた!
- 意味:あら~。ズボンに穴があいた!
自分の意志とは関係なく勝手に穴があいた場合は「穴がほげた」と言うよ。
- Q:この前、こっそり障子に穴ほがしたのが見つかってから、母ちゃんに怒られた
- A:この前、こっそり障子に穴をあけたのが見つかったから、母ちゃんに怒られた
からう
「からう」は「背負う」という意味の博多弁です。
- 例文:おばあちゃんが足を怪我したけん、息子さんのからって病院まで行きよらした
- 意味→おばあちゃんが足を怪我したから、息子さんが背負って病院まで行っていたよ
ランドセルに限らず、薪を背負う、リュックを背負うなど、何かを背負うときには「からう」を使うよ。
- Q:この前幼稚園に入園したばかりと思うとったけど、もうランドセルからって行きよるね?
- A:この前幼稚園に入園したばかりと思っていたけど、もうランドセルを背負って行ってるの?
きさん
少々乱暴な例文になりましたが「きさん」というのは「貴様・お前」という意味の博多弁です。
例文のように、カッとして思わず口が悪くなるときに飛び出すような、二人称の代名詞。
「きさん」を使う機会なんて、できればこないほうがいいよね…
- Q:一発殴られんと分からんとか!?きさん!
- A:一発殴られないと分からないのか!?貴様は!
こすかー!
「こすかー!」は「ずるい」「けち」という意味の博多弁です。
こすかこつは、せんがよかよ(ずるいことはしないほうがいいよ)
福岡銘菓「博多通りもん」のCMにも登場する博多弁なので、ひそかに「どういう意味だろう?」と思っていた方もいらっしゃるのでは?
- Q:夏休みの宿題、もう終わった。答え丸写ししたっちゃん
- Q:うわ、こすかー!
- A:夏休みの宿題、もう終わった。答え丸写ししたからね
- A:うわ、ずるーい!
しろしい
「しろしか」は「うっとおしい」「物憂い」という意味の博多弁です。
天気や人の性格に対して使われる言葉で、どこか湿っぽい、陰鬱とした雰囲気を表現したいときにピッタリです。
福岡県民歴40年超の筆者でも聞き馴染みのない博多弁でしたが、70代の母に聞くと「じめじめとしてうっとおしいときに使うね」とのこと。
「しろしか人やねぇ~」と人の性格に対して使うときは、うっとおしいよりも、どこか陰気な人だというニュアンスになるよ。
- Q:6月は雨の降り続いてから、しろしかねぇ~
- A:6月は雨が降り続くから、うっとおしいねぇ~
つまらん
「つまらん」は標準語では「面白くない」「退屈だ」という意味で使われますが、博多弁だと「良くない」「駄目だ」というダメ出しの意味になります。
同じ単語でありながら意味と使われ方が違うので、博多弁に慣れない方はとまどうかもしれませんね。
福岡で「つまらん」と言われたときはダメ出しをされたと思って、自分の行動を振り返ってみよう。
- 例文:あいつ、地域の清掃活動にも出てこんようじゃつまらんな
- 意味→あいつ、地域の清掃活動にも出てこないようじゃ駄目だな
- Q:こんなこともできんようじゃ、つまらんぞ!
- A:こんなこともできないようじゃ、駄目だぞ!
せからしか!
「せからしか」は「うっとおしい」「面倒くさい」という意味の博多弁です。
- 例文:あん人はいつも自慢ばっかりしてから、ほんにせからしか
- 意味→あの人はいつも自慢ばっかりして、本当にうっとおしい
「しゃーしい」と意味・使われ方は同じだから、セットで覚えておくといいね。
- Q:もぉ~。人の周りをチョロチョロしてから、せからしか!
- A:もぉ~。人の周りをチョロチョロして、うっとおしい!
えずい
「えずい」は「怖い」「恐ろしい」という意味の博多弁です。
- 例文:新しく来た体育の先生、えずか~
- 意味→新しく来た体育の先生、こわ~い
真ん中の「ず」を濁らせずに「えすか~」という人もいるけど、意味は同じだよ。
- Q:夜にお墓やら、えずかけん行ききらん~
- A:夜にお墓なんて、怖いから行けない~
ぐらぐらこく
「ぐらぐらこく」は「頭にくる」「思い通りにならなくてイライラする」というような時に使う博多弁です。
眠くて頭がぐらぐら揺れるのとは違うから、注意してね!
- Q:反抗期の息子がいっちょん親の言うことばきかんけん、いいかげんぐらぐらこいた
- A:反抗期の息子が全然親の言うことをきかないから、いいかげん頭にきた
のぼせもん
博多弁で「のぼせる」とは「なにかに熱中する」「夢中になる」ことを言います。
それに「者」という意味の「もん」がついた「のぼせもん」とは、つまり「何かに熱中して周りが見えなくなっている状態の人」という意味です。
恋人に夢中で周りの忠告に耳をかさない、というような状態だと「のぼせもんが」と言われてしまうよ。
博多山笠の時期になると、山笠に熱中して周りが見えなくなる祭り好きの熱い男たちも「のぼせもん」などと言われます。
- Q:あの人はのぼせもんやけん、今なんば言っても無駄ぞ
- A:あの人は熱中して周りが見えなくなっているから、今何を言っても無駄だよ
はらかく
「はらかく」は「腹を立てる」「怒る」という意味の博多弁です。
- 例文:最近、妻がはらかいとって3日も口をきいてくれん
- 意味→最近、妻が怒っていて3日も口をきいてれない
県外の人には「意味がわからない!」と言われやすい博多弁らしいけど、お腹が痒いという意味ではないから注意してね。
- Q:いつまでもはらかいとらんで、そろそろ機嫌直してよ
- A:いつまでも腹を立てていないで、そろそろ機嫌直してよ
よかろうもん
「よかろうもん」は「良い」という意味の博多弁「よか」に「~やろうもん?」という確認・念押しの語尾がくっついたもの。
「いいでしょう?」「いいですよね?」といった意味になります。
- 例文:そこまで言わんっちゃよかろうもん?
- 意味→そこまで言わなくてもいいよね?
よかろうもん!を乱用すると「嫌くさ(意味:嫌だよ)」って言われちゃうよ。
- Q:ほんの出来心やけん、見逃してくれてもよかろうもん?
- A:ほんの出来心だから、見逃してくれてもいいでしょう?
【音声あり!】博多弁の早口言葉「おっとっと」
ここからは、小さい「っ」「ゃ」「ょ」などが多用される博多弁だからこそ成り立つ面白い早口言葉を音声付きでご紹介します。
博多弁に馴染みがない人にとっては「何を言っているんだ!?」とわけがわからない言葉の羅列に聞こえても、博多弁に慣れてくれば自然と理解できるようになるから不思議です!
これを聞けば、あなたも博多弁の虜になること間違いなし!?是非覚えて、飲み会のネタとして盛り上がってみてくださいね。
(例文)おっとっととっとってっていっとったとに、なんでとっとってくれんやったとっていいよると
→意味:「おっとっと」を取っておいてって言っておいたのに、なぜ取っておいてくれなかったのかって言っているの
(例文)キットカットかっとかんといかんかったとに、あんたがかっとかんかったけんいかんかったとよ
→意味:「キットカット」を買っておかないといけなかったのに、あなたが買っておかなかったから、いけなかったのよ。
(例文)ぷっちょとっちょってっちいっちょったとに、なんでとっちょらんやったとっちいっちょると
→意味:「ぷっちょ」を取っておいてって言っておいたのに、なぜ取っておいてくれなかったのかって言っているの。
【まとめ】かわいい博多弁の変換・翻訳の一覧表
【博多弁】 | 【意味】 |
---|---|
なんしよーと? | 何をしているの? |
すいとーよ | 好きだよ |
とっとっと | 取っている・確保している |
すーすーすー | (隙間風が入って)肌寒い |
~ばい・~けん | 〜だよ・〜だから |
~っちゃん・~っちゃけど | 〜だよ・〜だけど |
~やけん | 〜だから |
ばり~ | とても、すごく |
よかよ! | いいよ! |
~かいな | 〜かな? |
たべりー | 食べなさい・どうぞ食べて |
しゃーしい | うっとおしい・面倒くさい |
あーね! | あぁ、そういうことね |
はよこんね | 早く来て |
なるほどですね | なるほど、そういうことですね |
めんこい | かわいらしい |
ばり・ちかっぱ | とても・ちからいっぱい |
ほんなこつ | 本当に |
ばってん | だけど・しかし |
くらす | 殴る |
いぼる | ぬかるみにはまる |
つやつける | 格好つける |
どげんしたと? | どうしたの? |
ほがす | (穴を)開ける |
からう | 背負う |
きさん | 貴様・お前 |
こすかー! | ずるーい! |
しろしい | うっとおしい・物憂い |
つまらん | 駄目だ、良くない |
せからしか! | うっとおしい・面倒くさい |
えずい | 怖い・恐ろしい |
ぐらぐらこく | イライラする、頭にくる |
のぼせもん | 熱中して周りが見えなくなっている人 |
はらかく | 腹を立てる・怒る |
よかろうもん | いいでしょう?いいですよね? |
今回の記事では多くの「かわいい博多弁」をご紹介しました。
「覚えられないよ!」と感じた人も多いかと思いますので、まとめ代わりに本記事で登場した博多弁の変換・翻訳を一覧表にしています。
旅行で福岡を訪れたときや、福岡に移住してきて早く博多弁を覚えたいときなど「あ、この博多弁はどういう意味だったかな…?」と思った時に是非ご活用ください。