【がめ煮】福岡県の有名な郷土料理19選!※給食・おやつとしてもお馴染みの料理。
『(がめ煮など)福岡県の有名な郷土料理』について徹底解説します。
明太子・もつ鍋・がめなど、福岡には観光やショッピングだけでなく「食」を体験するために足を運ぶ方も多いでしょう。
今回は“福岡生まれの福岡育ち”である筆者が、福岡の有名な郷土料理を19選紹介します。
郷土料理は各地域の歴史や風土に関係して生まれたものが多いため「福岡の食文化を制するものは福岡を制する!」と言っても過言ではありません。
食材の特徴や提供される場面なども合わせて解説しているので、福岡の郷土料理に興味がある方や福岡に足を運ぶ予定がある方は是非読んでみてくださいね!
【有名な料理19選】福岡の郷土料理と言えば何?
福岡の郷土料理には、地元の食材を活かした豊富なラインナップがあります。
特にがめ煮や水炊き、もつ鍋や明太子など、長い歴史とともに地域で親しまれてきた料理も多く、これらの料理は季節の行事やお祝い事などで振る舞われています。
是非「福岡の有名な郷土料理」を通じて、福岡の魅力を知ってください。
(お土産の定番)明太子
福岡の代表的なお土産といえば、やはり明太子です。福岡の人にはもちろん、観光客の方にも非常に人気があります。
「明太子」の名前は「すけとうだら」を韓国語で「明太(ミョンテ)」と呼ぶことに由来します。つまり「すけとうだらの子」なので「明太子」ですね。
明太子は、塩抜き後に唐辛子・昆布・砂糖・醤油などの調味料に漬け込んで発酵させるという製法で作られています。
明太子は少し辛味が効いているので、何も調理せずにご飯の上にのせて食べるのが定番ですが、明太子を卵焼きに入れて作る「明太卵焼き」なども絶品で、お酒のおつまみとして居酒屋でも提供されています。
さらに最近では「明太フランス」も登場し、福岡のご当地名物のバリエーションが増えました。
(お正月・お祝い事に)がめ煮
がめ煮は、福岡の正月やお祝い事には欠かせない一品で、福岡の伝統的な煮物料理です。
鶏肉や椎茸、にんじんやれんこんなどの野菜をたっぷりと使い、醤油やみりんで味付けした煮込み料理で、他の地域では「筑前煮」としても知られています。
「がめ煮」の名前は、博多弁で「がめくりこむ(寄せ集める)」に由来するとされており、さまざまな食材をひとつの鍋で一緒に煮込むことからこの名前になったそうです。
長めに煮込み、しっかり味を染み込ませたがめ煮は、日持ちする郷土料理として福岡で親しまれています。
各家庭によるけれど、筑前煮は「骨なしの鶏肉」が使われるのに対し、がめ煮は「骨つきの鶏肉」が使われるんだよ!
(有名店も多い)若鶏の水炊き
若鶏の水炊きは福岡の代表的な鍋料理で、特に寒い季節に多くの家庭で出てくる郷土料理です。
鶏の出汁をじっくりと煮出した、透き通ったコクのあるスープは、若鶏の旨味が際立つので、他の調味料は入りません。
福岡の水炊きは、まずスープを味わうところから楽しんでほしいというお店もあるほどなんだよね。
具材には、鶏肉、白菜、豆腐、ネギなどが使われ、栄養価も高いため、健康志向の方やダイエット中の方にもおすすめです。
煮立った具材にはポン酢をかけて食べる家庭が多く、取り皿に残ったスープまでしっかり飲み干すほどの美味しさです。
福岡市内には水炊き専門店が多数あり、観光客にも人気があるため、是非一度、本場の味を堪能してみてください。
(福岡・佐賀の郷土料理)だぶ
出典:農林水産省Webサイト
「だぶ」は福岡県と佐賀県の郷土料理で、お祝い事や集まりの席で提供されることが多い郷土料理です。
主に鶏肉と季節の野菜を多く使った汁物で、にんじんやごぼう、大根といった根菜類がたっぷりと入っています。
また、こんにゃくや蒲鉾も加えるため、具だくさんで栄養価が高いことから、福岡・佐賀両県で広く親しまれています。
「だぶ」という名前は、煮くずれしやすい食材は使わずに、水をたくさん入れて「ざぶざぶ」に仕上げることから、「ざぶ」が訛って「だぶ」と呼ばれるようになったそうです。
だぶは家庭によっても材料や味付けが異なることが多く、シンプルな味付けですが、じんわりと身体が温まる味わいがやみつきになります。
地元では豚汁と同じ感覚で食べる家もあるよ!
(朝食の定番)おきゅうと
「おきゅうと」は、エゴノリを溶かして成型したもので、海藻から作られるヘルシーな郷土料理です。
ところてんのようなツルリとした食感が特徴で、醤油や酢味噌、ポン酢で味わいます。
戦前までは福岡の朝食には欠かせない存在でしたが、最近では昔ほど家庭の食卓で見かけなくなったとも言われています。
しかし、低カロリーかつ栄養豊富なので健康志向の方やダイエット中の方にはかなりオススメです。
また福岡の居酒屋などでは、刺身のようにカットされ醤油に付けて食べる、というように酒のつまみとして提供されることもあります。
磯のほのかな香りや不思議な食感は、ご飯のお供にも最適なので、是非一度食べてみてね。
(居酒屋メニュー)ごまさば
「ごまさば」は、鯖の切り身にごまダレを絡めた、シンプルながらも鮮度が命とされる郷土料理です。
鯖の刺身に醤油やごまをあえて、さらにツンと鼻を通るワサビの風味でしめる味わいがたまりません。
一般的には居酒屋で「とりあえずメニュー」や「本日のおすすめの一品」として提供されることが多く、日本酒や九州の焼酎との相性も抜群です。
また味変として人気なのは、刻んだネギや大葉をのせる食べ方です。タレには醤油やみりんを使用しているため、甘辛い味付けで、サバの旨味が引き立ちます。
脂ののったサバと風味豊かなごまが絶妙にマッチし、白ご飯のお供にもぴったりです。
他県民の方からは「鯖を生で食べるなんて!」とかなり驚かれることもあるよ!
(筑後地方のおやつ)ふなやき
出典:農林水産省Webサイト
「ふなやき」は、福岡南部の筑後地方で親しまれているおやつです。
小麦粉を水で溶いて薄く焼き、黒砂糖や高菜漬けなどを挟んで食べる素朴な料理で、もちもちした食感がやみつきになります。
甘みのある味付けが多いけど、各家庭で挟む材料が違うこともあるよね。
ふなやきの由来は、昔かまどの上においた「ほうらく」という鍋の底が「船の底」に似ていたので、「船で焼かれた」→「船焼き」となったそうです。
昭和40年代にホットケーキミックスの粉が一般家庭に広がったことをきっかけに、最近ではあまり作られなくなりましたが、お祭りや家庭のおやつとして地元で食べられています。
発祥の筑後地方では、今でも調理実習でふなやきを作ることがあるそうです。
(定番の郷土料理)もつ鍋
「もつ鍋」は、全国的にも有名な福岡の郷土料理で、主にホルモン(牛の内臓)を使用します。
キャベツやニラ、ゴボウやもやし、白菜や豆腐などの豊富な種類の野菜と一緒に煮込むため、旨味が凝縮されていて栄養満点です。
もつの旨味と、にんにくや唐辛子のパンチが効いた醤油ベースのスープが特徴で、冬の定番料理として福岡県民に愛されています。
ちなみにもつ鍋に使うホルモンは「放るもん(捨てるもの)」が由来だと言われているよ。
昔は内臓部分が食用として利用されず、廃棄されていたことから、この名前が付いたそうです。
また、もつ鍋に使われるもつは「牛」のもつです。「豚」のもつはクセや臭みが強いため、何度も下ゆでする必要があるので、地元では「豚もつ」をもつ鍋に使うのはご法度とされています。
こんなに美味しい部位が「放るもん」として捨てられていたなんて、信じられないね!
(駅弁としても有名)かしわ飯
「かしわ飯」は、鶏肉(かしわ)を椎茸やにんじんやごぼうなどの具材と炊き込んだご飯で、元々は福岡の駅弁として販売されていました。
甘辛く味付けされた鶏肉とご飯が絶妙に絡み合い、昔から長旅のお供として親しまれてきたロングセラーの一品です。
シンプルながらも飽きがこない味わいが特徴で、子供から大人にまで幅広く食べられている郷土料理です。
ちなみになぜ鶏肉を「かしわ」と呼ぶようになったかというと、日本にいた鶏の羽色が茶色で「柏」の落葉の色に似ているということから「かしわ」と呼ばれるようになったそうです。
福岡では一般家庭でもよく出てくる料理なので、福岡を訪れた際には、是非食べてみて下さい。
(小倉の郷土料理)ぬかみそ炊き
「ぬかみそ炊き」は、小倉地域の郷土料理で、魚をぬか床で炊き込んだものです。
特にいわしなどの青魚を使ったものが一般的で、青魚をさばき、醤油、みりん、砂糖などを加えしっかり煮ます。
そして、ある程度火が通ったら「ぬか床」を入れて、とろ火で炊いて出来上がりです。
ぬか床を入れることで、青魚特有の臭みは抜け、代わりにぬか床の旨味が染み込むので、とにかくご飯が進むしっかりした味つけです。
保存食として古くから作られており、福岡県の中でも特に北九州エリアで親しまれている料理として知られています。
「ぬかみそ」は別名「おささじ」と呼ばれていたので、昔は「ぬかみそ炊き」を「おささじ煮」と呼んでいたそうだよ。
(夏によく食べる)あちゃら漬け
出典:農林水産省Webサイト
「あちゃら漬け」は、夏にさっぱりと食べられる福岡の漬物です。
旬の野菜を酢や砂糖で漬け込み、爽やかな甘みと酸味に、唐辛子の辛味がアクセントになる一品なので、食欲の落ちる夏でもパクパク食べられます。
材料は、きゅうり・なす・かぶ・なす・れんこん・きくらげ・ごぼうなど、季節の野菜を使うのが特徴です。
冷蔵庫がなかった時代から夏場に日持ちする料理として重宝されており、福岡の家庭ならではの工夫が凝らされた郷土料理です。
あちゃら漬けの名前の由来は諸説ありますが、ポルトガル語で漬物を意味する「achar(アチャール)」が語源とされる説が有力と言われています。
(スズメダイの塩焼)あぶってかも
出典:農林水産省Webサイト
「あぶってかも」は、スズメダイを塩焼きにした福岡の沿岸部発祥の魚料理です
あぶってかもは、骨をよけながらチビチビとお箸でつついて食べるので、お酒のつまみにもバッチリ合うんだよ!
「かも」という名から鴨肉をイメージする人もいますが、肉ではなく魚料理です。炙ったスズメダイの風味が鴨肉に似ていることが名前の由来とされています。
スズメダイは日本海に広く生息している体長10cm程度の小魚で、小骨が多く身も薄いことから、昔は積極的に食べられる魚ではありませんでした。
旬の時期を迎えると、船を動かす妨げになるほど増えてしまうため「カジキリ(舵切り)」と呼ぶ地域もあるほど。
船の進路を確保するためにスズメダイをすくい上げ塩をふって保存し、その後で焼いてみたところ、脂の旨味が抜群に引き出された美味しさだったそうです。
それ以来あぶって食べるようになったのが、あぶってかもと言われています。
(端午の節句)がめの葉もち
出典:農林水産省Webサイト
がめの葉もちは、福岡県の筑前地方に伝わる伝統的な和菓子です。
名前の「がめ」は、餅を包む葉が亀の甲羅に似ていることに由来し「かめ」が「がめ」になったと言われています。
西日本では柏の葉が少ないから、かめの葉が代わりに使用されるようになったんだよね。
がめの葉で餅を包み蒸し上げることで、独特の香りが餅に移り、素朴ながらも風味豊かに仕上がります。
特に端午の節句の時期に供えられることから、家族の健康や子どもの成長を願う意味が込められている行事食として福岡で食べられています。
ちなみに柏の葉は食用として推奨されていませんが、がめの葉は食用なので食べても大丈夫です。
(ひなの節句)せんぶきまげ
出典:農林水産省Webサイト
「せんぶき」とは博多弁で「わけぎ(分葱)」のことを指します。
「せんぶきまげ」は、わけぎをサッと茹でて、根元を芯にして青い葉をくるくると巻いたものです。
わけぎは、ねぎと玉ねぎの雑種と言われているので、ねぎより柔らかく甘味があります。
わけぎを茹でて、何回か折り曲げ、葉先の部分を全体にぐるぐる巻きつけて、酢味噌でいただくのが福岡ではスタンダードです。
古くから福岡の各地でひな祭りに作られ、女の子の成長と健康を祝う意味が込められています。
3月に美味しくなるわけぎを使った「せんぶきの酢味噌和え」は春を告げる料理と言われているんだよ。
(宗像の郷土料理)とうへい鍋
出典:農林水産省Webサイト
とうへい鍋は福岡県の宗像地方に伝わる郷土料理です。
宗像地域は漁業が盛んなため、とうへい鍋には新鮮な魚介類がふんだんに使われ、具材として地元の野菜もたっぷりと入っています。
特に栄養価が高いことから家庭料理として、冬は出てくる頻度が上がります。
シンプルな味付けながら、素材の風味が引き立つよう工夫されており、宗像の海産物の魅力を存分に味わえる一品です。
(正月にサメを食べる)のうさば
「のうさば」は、福岡県の宗像地区で正月料理として伝統的に食べられてきたサメの料理です。
特にサメの肉は保存が効くため、昔から冬の時期に備蓄として利用されてきました。
「のうさば」とはサメを指す方言で、正月に欠かせない食材として、煮物や酢の物に調理されます。
福岡の宗像エリアの家庭では「のうさば」を使った料理が新年の食卓に並ぶため、年末の仕込みに向け、海岸沿いのいたるところで、のうさばの天日干しが行われます。
これが冬の風物詩です。「のう」は、はえ縄漁に使う針掛けの名前で「さば」はサメの語源なので「のうさば」と呼ばれています。
宗像の鐘崎地域でつくられているため「鐘崎数の子」とも呼ばれているよ!
(糸島の郷土料理)そうめんちり
糸島地方の伝統料理である「そうめんちり」は、そうめんを鍋で煮込んで食べる独特の料理です。
そうめんちりの「ちり」は鶏ガラや鶏肉を水炊きにし、醤油と砂糖で甘辛く味つけしたスープを指します。
その中に季節の食材であるネギ、キャベツ、白菜、玉ねぎ、こんにゃく、豆腐などを入れて煮込みます。
シンプルでありながら、具材から出るだしとそうめんの相性が抜群で、家庭でも特別な日に作られる料理です。
昔は、そうめんや砂糖、醤油が贅沢品だったこともあり“糸島の人のおもてなしの気持ちを込めた贅沢なご馳走”として「そうめんちり」が広まりました。
(柳川の名物)鰻のせいろ蒸し
柳川市の名物である「鰻のせいろ蒸し」は、ふっくらと蒸し上げた鰻とタレが絶妙に絡む贅沢な一品です。
ご飯の上にタレと一緒にのせた鰻をせいろで蒸し、香ばしい香りとともに提供されるので、鰻本来の風味がぎゅっと凝縮されています。
タレの甘辛い味わいと鰻の柔らかさが一般的に良く知られている「うな重」とは違い、地元の人に愛されてきた郷土料理です。
特に夏のスタミナ食としても人気が高く、柳川を訪れる観光客からも大人気なご当地グルメです。
鰻と一緒に蒸される錦糸卵にも、タレの香りが染みこんでいて美味しいよ!
(ドジョウを使った)柳川なべ
出典:農林水産省Webサイト
柳川鍋は、福岡県の柳川市を代表する伝統的な郷土料理で、ドジョウとささがきにしたゴボウを卵でとじた鍋料理です。
江戸時代にはドジョウもゴボウも「精の付く食材」とされていたため、柳川鍋は暑い日に食べられていました。
近年はドジョウの生息数が減少していることから、柳川鍋は地元でも贅沢品として扱われています。
【アジアの玄関口】福岡の郷土料理の特徴を紹介
福岡県は、筑前海(玄界灘、響灘)、豊前海(周防灘)、そして有明海海岸に面している地域ということもあり、独自の食文化が発展しました。
また、福岡はアジア各国と歴史的に交流が深く、多様な文化や食材が取り入れられるアジアの玄関口として有名です。そんな福岡の郷土料理の特徴を紹介します。
(交易拠点)独自の食文化が発展!
福岡は「アジアの玄関口」として古くから交易の要となっています。
そのため近隣の中国や朝鮮半島からの文化や食材が流入し、独自の食文化が形成されました。
特に博多エリアには、肉や魚介類を使用した料理が多く、これらの食材を活かしたシンプルな味付けが特徴です。
もつ鍋や水炊きなどの料理も、福岡における地域独特の料理で、鮮度の高い食材からダシをとる風習は、福岡ならではの調理方法と言われています。
(自然豊か)農産物・海産物が豊富
福岡県は日本海や有明海に面し、四方には山が連なる自然豊かな土地です。
このため福岡では、新鮮な海産物と栄養たっぷりの土地で育った野菜や果物が豊富に収穫されます。
よって、福岡の郷土料理には新鮮な魚介をふんだんに使用した料理が多く、うなぎのせいろ蒸しやごまさばといった料理がその代表です。
また、農業も盛んなので「博多あまおう」などのイチゴや、八女茶といった特産品も親しまれています。
【要約】福岡観光に来たら郷土料理を楽しもう!
福岡県の郷土料理は、その歴史的な交易や自然の豊かさから生まれた独自の食文化が特徴です。
もつ鍋や水炊きといった代表的な料理に加え、博多ラーメンや明太子といったメジャーな名物料理は、地元の人々だけでなく観光客からも大人気です。
福岡に観光で訪れた際には、是非このような歴史や文化を感じながら、福岡でしか食べられない郷土料理を堪能してくださいね!